ネイティブアメリカンドラム制作Day1 エゾシカへの感謝

自然と共鳴し鼓動を響かせる
ネイティブアメリカンドラム

私たち夫婦は
ネイティブアメリカンドラム
ワークショップに参加
6月5日と7月22日の2日間かけて
ドラムを制作していきます

中標津町のエゾシカの皮を使わせていただいて
初日はエゾシカへの祈りと皮のなめし
来月の2日目はドラムフレームに革を張りつけ
仕上げていきます

目次

ネイティブアメリカンドラム

ネイティブアメリカンドラムとは
アメリカ先住民である
ネイティブアメリカンが儀式などで
使用していた太鼓のこと
複数にで叩く大型のドラムや
手で持つハンドドラムなどがあります

いにしえより先住民の文化では
音は重要であり
ネイティブアメリカンドラムは
「母なる大地の鼓動」の響きと表現され
「心音のリズム」として
儀式などでは重要な存在でした

エゾシカについて

人間の都合により獣害扱いとなったシカ
本来は神聖な生き物であり
お釈迦さまが最初に説法をしたのも
シカだったと言われております

エゾシカは北海道に生息するニホンジカの亜種
エゾシカによる農業・林業への被害は深刻で
農林業被害では全体の8割がエゾシカによるもの
有害獣として捕獲対象とされている

令和3年北海道の野生鳥獣被害調査によると
農業への被害額は44億8千万円

中標津町のエゾシカに対する取り組み

今回ネイティブドラムに使用させてもらう
皮は中標津町で命を絶ったエゾシカ

駆除されたシカはジビエなどに使われる以外は
ゴミのように捨てられてしまっているのが現状
北海道の中標津町では環境への配慮
自然から頂いた“命”を大切に
関連団体が協力して発足した
獣皮活用促進プロジェクト
「MATAGIプロジェクト」
を立ち上げ
駆除された鹿の約98%は
再利用する取り組みをしております
中標津町の取り組みはこちら
中標津町は北海道の東側
道東に位置する
人口2万2千人の町

ネイティブアメリカンドラムから学ぶ

今回
ただドラムを作って終わりではない

エゾシカの命を頂いてドラムを作る
ネイティブアメリカンと同じように
シカへの敬意を
歌と踊り祈りを捧げ
ネイティブアメリカンドラム制作を通じて
命の大切さを学ぶこともテーマである

まず自分のインスピレーションで
エゾシカの皮を選びます
何度も時計回りに周り
声をかけながら頭と心で会話をし
感じとります

私たち夫婦は10体の中で
1番小さなシカ皮を選びました

薬草を手に取り
東西南北の方角
父なる空 母なる大地へ
祈りを捧げます

薬草をシカへふりかけ
祈りを捧げます

パイプセレモニー
神聖なパイプに薬草を入れ
タバコのように煙をシカ皮に吹きかけます

何度もパイプを吸い煙を吹きかけ
歌と踊りを捧げます

あなたが
野原を力強く走っていた時と同じように
私たちは

あなたの鼓動をドラムとして響かせます
という思いと共に

1時間ほど歌と祈りをささげた後
皮をなめしていきます


今回ドラム制作を教えてくれている
天台宗の僧侶であり
偉大なるネイティブアメリカン
デニス・バンクス氏の弟子であり
日本人初ネイティブアメリカンの儀式の
リードボーカルでもある
山田圓尚 さんから

皮をなめす時人間側ではなく
シカ側の氣持ちになってなめしてほしい
シカ側の氣持ちになることで
自分の一部である皮を捧げた者として
どんな人に大切にしてもらいたいか
皮を物として扱うのではなく
身体の一部を捧げてくれたシカに
感謝の氣持ちを伝えてほしい
と言葉あった

この世にある楽器は動物や木々などの
命の一部を頂いている
私たちはその命を大切に共に共鳴し
感謝をもって音を響かせる
とても大切なことを学んだ

皮をなめせばなめすほど
ドラムの音は良くなる
感謝の氣持ちをもってなめし続ける
不思議となめした部分が空色のように
ブルーに光輝いていた

羊蹄山に見守られながら
皮のなめしを終えた

皮を適度に伸ばしながら
釘を打ちつけます

前日スウェッドロッジで
石を焼くために使用した
木の灰を皮にまぶしていきます

前面に灰をまぶし
皮に柔軟性を与えていきます


これから約1ヶ月半乳化させていきます
来月ドラム制作の仕上となる


もう1度感謝の祈りをみんなで捧げます


恵の雨が降る中
初日が終わり
終わった瞬間に青空となった
羊蹄山が美しく微笑んでいました

ソフトクリームも食べながら
ドラムを思い
ワクワクしています


Mahalo
KWAK KWAH

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